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お知らせ

アラガン社製人工乳房(インプラント)を用いた乳房再建術の停止について 2019/08/06

  • 患者さま向け

現在わが国では、健康保険を用いたブレスト・インプラントによる乳房再建に、アラガン社のティッシュエキスパンダーとインプラントのみ認可されています。 しかし2019年7月24日、米国の厚生労働省にあたるFDAの指導のもとで、これらの製品の全世界において自主回収が決定されました。これに伴い、日本での流通も停止され、全国の医療機関で使用することができなくなりました。

その理由として、近年、乳房再建術や豊胸術後に生じるまれな合併症として、ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(Breast Implant Associated-Anaplastic Large Cell Lymphoma (BIA-ALCL))という疾患が知られてきたことがあります。この疾患はT細胞性のリンパ腫と呼ばれるもので、乳がんとは異なる悪性腫瘍です。これまでの海外での発症した症例の多くが表面の性状がザラザラ(テクスチャードタイプといいます)のインプラントが使用されていると言われています。我が国で多く用いられているアラガン社のナトレル410という種類のインプラントもこのテクスチャードタイプに該当します。これまでの発症は全て海外からの報告でしたが、日本では今年に入り1例の報告がありました。

こうした事態を受け、当院乳腺科においても2019年7月25日より同製品を用いた乳房再建術の停止しております。

これから乳がん手術と同時再建を受ける患者さまへ

同製品(エキスパンダーならびに乳房インプラント)を用いた同時再建術は中止となります。乳がん手術はその治療の必要性から予定通り行います。詳細は主治医から説明をいたします。

現在エキスパンダーが挿入されている患者さまへ

下記の選択をしていただくことになります。患者さまの希望に合う治療方針を主治医と相談してください。

  1. 1 .2019年9月以降正式に販売再開となるアラガン社のスムースタイプインプラント(表面がツルツルしてBIA- ALCLのリスクは限りなく低くなりますが、破損や被膜拘縮などのリスクが増加すると言われています)で再建を行う。
  2. 2 .自家組織再建を行う。
  3. 3 .米国FDAで認可された他社の乳房インプラント製品を用いて再建を行う。(自費診療となります)
  4. 4 .しばらくエキスパンダーを挿入された状態で待機する。(定期的な外来受診は必要です)

既にインプラントによる再建が終了している患者さまへ

諸外国またわが国の学会では症状のない方に対する予防的なインプラントの摘出は推奨していません。発症リスクより取り出す手術に伴う出血等のリスクの方が上回ると考えられるためです。

乳がん手術後の定期診察において、乳がんの再発や転移の有無の検査と共にインプラント再建後の問題(インプラントの破損、被膜拘縮、BIA-ALCL発症)が起きていないか、エコー検査やMRI、PET-CTなどの検査をおこなっていますので、外来診察を継続してください。



今回のインプラントを取り巻く問題により、患者さまには多大なるご心配ご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。対象となる患者さまには主治医より詳細な説明を行い、これからも最新の情報提供をおこなっていく所存でございますので、ご理解を何卒よろしくお願い申し上げます。

今後、これらの状況は変わることが予測され、順次当院HPでも公表していく予定です。また下記の各学会のHPでも最新情報が公開されていますので、ご覧ください。

日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会で公開している情報は以下となります。

医療法人鉄蕉会
亀田総合病院 院長 亀田信介
乳腺科 主任部長 福間英祐
乳腺科 形成外科担当 淺野裕子

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